日本歴史地名大系 「王子製紙気田工場跡」の解説 王子製紙気田工場跡おうじせいしけたこうじようあと 静岡県:周智郡春野町気田村王子製紙気田工場跡[現在地名]春野町気田気田集落南側、現春野町立気多(けた)中学校敷地内にレンガ造の建造物が一棟残されている。旧王子製紙製品倉庫として県指定文化財。隣には「木材パルプ発祥之地」の石碑がある。本社を東京府王子(現東京都北区)に置く製紙会社(明治二六年に王子製紙と改称)は、本格的な原料立地型の木材パルプ製造工場を作るために数ヵ所を候補地にあげて実地調査し、明治二〇年(一八八七)には当地に工場を建設することを決定した。操業開始は同二二年一二月で、その亜硫酸パルプ製造は日本における本格的な木材パルプ生産の第一号となった。のち製紙および砕木パルプ製造も開始され、セメント紙・保米袋・紡績包紙・マッチ紙等の製品を関西方面へ出荷した。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by