王孝通(読み)おうこうつう(英語表記)Wáng Xiào tōng

改訂新版 世界大百科事典 「王孝通」の意味・わかりやすい解説

王孝通 (おうこうつう)
Wáng Xiào tōng

中国,唐初の武徳年間(618-626)の算暦博士で,太史丞となった数学者。生没年不詳。著書に《算経十書》の一つ《緝古算経(しゆうこさんけい)》がある。問題は全部で20術収められており,そのうちの19術までが開帯従立方法(三次方程式の正根を求める方法)を利用して,堤防などの体積を求める問題,および複雑な勾股(こうこ)問題(直角三角形におけるピタゴラス定理応用)を解く方法を説いたものであり,三次方程式を解いた最古の数学書である。彼が立てた帯従立方開方式つまり三次方程式x3px2qxr係数はすべて具体的な正の数で,q=0の場合も含まれている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android