ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「王殺し」の意味・わかりやすい解説
王殺し
おうごろし
regicide
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翻訳|regicide
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…死をかけたトーナメントであって,残酷なやり方だが,ここには,祖先の栄光ある力に最も近似した力をもつ者こそ,この祖先の力を実現できる者,という考え方が秘められている。 またフレーザーの《金枝篇》でひじょうに有名になった〈王殺し〉慣習もある。これは,王が自然死を待つことなく,人為的に死を迎えなければならぬという慣習で,未開社会に数多く見られる。…
…また双子の誕生は異常な現象として天変地異の誘因になるものと恐れられ,その殺害が正当なものとされる場合も少なくない。またかつてJ.フレーザーが注目した〈王殺し〉の慣習も,殺人を正当化・義務化するものである。王国の生命力の象徴とされた王は,肉体的・精神的衰弱が許されなかった。…
…超自然的存在の傀儡(かいらい)ともいうべきものだからである。それは〈王殺し〉という慣習によく示されている。王が王国を創設した初代王の英雄的な力を身体に宿さなければならぬ以上,みずからもまたつねに若く強くなければならない。…
…この際,ニイカングを体内に宿らせる王は,自らニイカングの理想的な知力,体力,武力を持っていることを要求される。したがって老いて衰えることなどは許されず,もしそうなれば,J.G.フレーザーが《金枝篇》で述べたような〈王殺し〉が行われ,次の継承者が選ばれる。こうしてシルック王国は常に創設時の栄光ある国力を持続すると考えるのである。…
※「王殺し」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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