化学辞典 第2版 「現像銀」の解説
現像銀
ゲンゾウギン
developed silver
黒白のハロゲン化銀写真で現像後の画像は,銀の粒子からなっている.現像液の還元力が弱いときは,結晶中の不完全部分(転位など)にそって内部への樹脂状の銀が成長し,現像銀はもとのハロゲン化銀粒子と似た形状になる.還元力が強いときは結晶内部ないし外部へ繊維状の銀が糸まきのような形で発達し,もとの粒子よりも大きく広がる.したがって,現像銀は比表面積がきわめて大きく,効率よく光を散乱する.現像銀粒子の大きさは,画像の写真の濃度および色調に影響を与える.単位面積当たりの銀量で写真濃度を割った数値をカバリングパワーとよび,写真的効率を与える.一般に,粒子が小さいほどカバリングパワーは大きい.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報