黒白(読み)コクビャク

デジタル大辞泉 「黒白」の意味・読み・例文・類語

こく‐びゃく【黒白】

黒い色と白い色。黒いものと白いもの。
善と悪。正と邪。是と非。くろしろ。「黒白をつける」「黒白をわきまえる」

くろ‐しろ【黒白】

黒と白。
事の是非。よしあし。こくびゃく。「黒白をつける」
画面色彩ではなく黒と白とで表されるもの。しろくろ。

こく‐はく【黒白】

こくびゃく(黒白)

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精選版 日本国語大辞典 「黒白」の意味・読み・例文・類語

こく‐びゃく【黒白】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「びゃく」は「白」の呉音 )
  2. 黒い色と白い色。黒いものと白いもの。
    1. [初出の実例]「黒白班文難像、丹青妙画拙真」(出典:田氏家集(892頃)中・元慶七年春右相賜文馬有感自題)
    2. [その他の文献]〔荘子‐天運〕
  3. ( 「黒」は悪、非、暗など、「白」は善、是、明などの意 )
    1. (イ) 善と悪。是と非。正と邪。転じて、ものごとの道理
      1. [初出の実例]「肝心うせて黒白見えわくべき心地も侍らず」(出典:十訓抄(1252)一〇)
    2. (ロ) 明と暗。生と死。
      1. [初出の実例]「黒白(コクビャク)わかつ二人の命」(出典:歌舞伎・四天王楓江戸粧(1804)五立)
      2. [その他の文献]〔韓非子〕
    3. (ハ) 両極端
      1. [初出の実例]「両座申状黒白也」(出典:大乗院寺社雑事記‐応仁二年(1468)一二月三日)
  4. ( 「黒」は玄人公娼、「白」は素人で私娼 ) あらゆる遊里の世界。
    1. [初出の実例]「色里へ通ひつくし〈略〉今黒白(コクビャク)の睟(すい)となり」(出典:浮世草子傾城禁短気(1711)六)

くろ‐しろ【黒白】

  1. 〘 名詞 〙
  2. くろと、しろ。
    1. [初出の実例]「菅島や答志の小石分け替へてくろしろ混ぜよ浦の浜風」(出典:山家集(12C後)下)
  3. ことのよしあし。是非。邪正。こくびゃく。
  4. 画面が黒と白であらわされるもの。写真映画テレビ受像機など。しろくろ。

こく‐ばく【黒白】

  1. 〘 名詞 〙こくびゃく(黒白)
    1. [初出の実例]「このこくばくは、如何にしてか知り候らん」(出典:梁塵秘抄口伝集(12C後)一〇)

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普及版 字通 「黒白」の読み・字形・画数・意味

【黒白】こくはく

是非善悪。〔史記、秦始皇紀〕今皇天下をし、白を別(わか)ちて一定む。私(ひそ)かに學びて相ひ與(とも)に法を非(そし)るの人、令下るを聞けば、則ち各其の學を以て之れを議す。~之れを禁ずることなり。

字通「黒」の項目を見る

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デジタル大辞泉プラス 「黒白」の解説

黒白

池波正太郎の長編時代小説。1983年刊行。「剣客商売」シリーズの番外編。

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