現図(読み)げんず

日本大百科全書(ニッポニカ) 「現図」の意味・わかりやすい解説

現図
げんず

船体の形を表す設計図を、実物大または適当な尺度に拡大した図。実物大の図を原尺現図といい、木材を張り詰めた床に墨などで描かれる。この場所を現図場(げんずば)といい、1960年(昭和35)ごろまでは、船は、現図場で実物大に展開された図に基づいて建造された。このため現図場は、造船所で建造する最大の船に見合った広さを必要とした。また実物の10分の1にしたものを縮尺現図という。これを写真のネガに撮り、使用鋼板上に実物大に投影して形を描く投影手法、鋼板に感光剤を塗って感光させる手法、さらには投影光を追跡して鋼板を直接図面どおりにガス切断する装置などが開発されて、実物大の図を描く必要はなくなり、現図場は姿を消した。原尺現図の場合は、製図作業はもちろん、これを使用鋼板にうつす作業に多くの人手を要したが、縮尺現図の手法により建造工程が以前に比べて大幅に短縮された。

[森田知治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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