生憎し(読み)ナマニクシ

デジタル大辞泉 「生憎し」の意味・読み・例文・類語

なま‐にく・し【生憎し】

[形ク]どことなく憎らしい。少しもかわいげがない。
「いとつつみなく、もの馴れたるも―・きものから」〈橋姫

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精選版 日本国語大辞典 「生憎し」の意味・読み・例文・類語

あや‐にく・し【生憎】

  1. 〘 形容詞ク活用 〙 ( 「あやにく(生憎)」を形容詞に活用させたもの ) 思うようにならないでぐあいが悪い。
    1. [初出の実例]「『さもあやにくきめを見るかな』と、をかしき声してよみかけておはしぬ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)楼上下)
    2. 「腰簑に脛あや憎し蜑乙女」(出典:俳諧・若みどり(1691))

なま‐にく・し【生憎】

  1. 〘 形容詞ク活用 〙 ( 「なま」は接頭語 ) いやに憎い。なんだかうとましい。少しもかわいげがない。
    1. [初出の実例]「かやうに夜ふかし給ふもなまにくくて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)横笛)

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