精選版 日本国語大辞典 「腰簑」の意味・読み・例文・類語
こし‐みの【腰簑】
- 〘 名詞 〙
- ① 腰にまとう短いみの。腰巻簑。〔文明本節用集(室町中)〕
- [初出の実例]「竹の小笠に面(おもて)をかくし、腰簑(コシミノ)身にまとひ一夜をしのぎける」(出典:浮世草子・好色五人女(1686)四)
- 腰簑①〈大山寺縁起〉
- ② 兜(かぶと)の付物の一つ。𩊱(しころ)を雨に濡らさないため、獣毛を簑のように編み、赤熊附(しゃぐまつけ)の緒につけたもの。〔本朝軍器考(1722)〕
- ③ 武者ぶりを引きたたせ、また、矢玉を防ぐために、甲冑(かっちゅう)などの上から腰にまとう蓑。腰巻。
- [初出の実例]「くろき御道複(だうぶく)に御たち付け、御腰簑させられ候なり」(出典:信長公記(1598)一四)
- ④ 能楽で用いる一種の前掛。ふつう麻でつくられ、裾を藍に染めたもの。漁夫の役に用いる。「鵜飼(うがい)」の前ジテ、「阿漕(あこぎ)」「藤戸(ふじと)」の後ジテなどが用いる。