用ゆ(読み)モチユ

デジタル大辞泉 「用ゆ」の意味・読み・例文・類語

もち・ゆ【用ゆ】

[動ヤ上二]《「もち(用)いる」が中世以降ヤ行に転じて用いられた語。終止形は「用ゆる」となる例が多い》「用いる」に同じ。
「今の政府は力と智とを―・ゆ」〈福沢学問のすゝめ
「汝がいふ所まことにおろかなり…一も―・ゆべからず」〈宇治拾遺・一五〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「用ゆ」の意味・読み・例文・類語

もち・ゆ【用】

  1. 〘 他動詞 ヤ行上二段活用 〙 ( ワ行上一段活用動詞「もちゐる」の転じた語。→「もちいる(用)」の補注 )
  2. もちいる(用)
    1. [初出の実例]「用られんかと思て、人についしょうをして、まわる。されども用ゆるもの、ないほどに」(出典:中華若木詩抄(1520頃)上)
  3. もちいる(用)
    1. [初出の実例]「汝がいふ所まことにおろかなり。〈略〉一も用ゆべからず」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)一五)
    1. (イ)もちいる(用)(イ)
      1. [初出の実例]「むせぬほどに老人にもちゆるまでぞ」(出典:玉塵抄(1563)四)
    2. (ロ)もちいる(用)(ロ)
      1. [初出の実例]「穀を断たは恒に薬を将(モチユ)可きのみ」(出典:医心方天養二年点(1145)一)
  4. もちいる(用)
    1. [初出の実例]「そも戦ひを用ゆるに、五つの大事有といふは」(出典:浄瑠璃・源頼家源実朝鎌倉三代記(1781)三)

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