終止形(読み)シュウシケイ(英語表記)cadence

翻訳|cadence

デジタル大辞泉 「終止形」の意味・読み・例文・類語

しゅうし‐けい【終止形】

活用形の一。用言助動詞活用の第三段の形で、普通に文を終止するのに用いられる。活用する語の基本の形と考えられ、一般に辞書見出しなどに用いられる。

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精選版 日本国語大辞典 「終止形」の意味・読み・例文・類語

しゅうし‐けい【終止形】

  1. 〘 名詞 〙 活用形の一つ。用言・助動詞の語形変化うち、主に文の終止に用いる形。六活用形の第三におかれるが、語を代表する基本形として、辞書の見出しなどに使用される。終止。載断言。断止段。終止段。終止言。
    1. [初出の実例]「第三活用形の『死ぬ』は『人死ぬ』の如く言止むる形なれば終止形といふ」(出典:中等教科明治文典(1904)〈芳賀矢一〉二)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「終止形」の意味・わかりやすい解説

終止形
しゅうしけい
cadence

音楽用語。楽曲の終止への過程を形成する音進行の定型。今日一般にカデンツという名称で呼ばれる終止形は,機能和声における和音による終止法であり,その完全度に従い次のような種類に分けられる。 (1) 完全終止 主和音( I)に終止する。主和音( I)は基本位置で,主音をソプラノにあて,強拍におかれる。この際基本位置の属和音( V)から主和音( I)に移るなら正格 (全) 終止,基本位置で下属和音( IV)から主和音( I)に終止するなら変格終止と呼ばれる。 (2) 不完全終止 (1) の場合の条件がなんらかの形で満たされない場合。 (3) 半終止 属和音( V)上で終止するもの。一般には主和音( I)から属和音( V)へ移る。曲の段落に用いられるのが普通。 (4) 偽終止 属和音( V)から主和音( I)以外の和音へ進む終止。一般には6度上の和音で終る。 (5) フリギア終止 フリギア調特有の短2度の動きを外声にもつ終止。

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世界大百科事典(旧版)内の終止形の言及

【和声】より

…図4は矢印によって進行可能な和音の概略を示してあるが,III度は前後関係によって異なる。したがって和音の連結法は,つねにTに回帰する型,すなわちT→D→T,T→S→T,T→S→D→Tの3種に大別でき,この型をカデンツKadenz(終止形)という。図5はT→D→T,T→S→D→Tの2種のカデンツが組み合わされた例であるが,一つの楽曲はこのカデンツが多様に組み合わされて構成されるのである。…

※「終止形」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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