田澤問題(読み)たざわもんだい

知恵蔵 「田澤問題」の解説

田澤問題

2008年の都市対抗野球MVPにあたる橋戸賞を受賞した新日本石油ENEOSの右腕エース田澤純一が、大会後に記者会見を開いてメジャーリーグ志望を宣言、プロ野球各球団にドラフト会議で指名しないように要望した。指名を受けると、翌年1月まで交渉権が制限されるためで、アマチュア逸材が直接、米国に渡った例がないだけに衝撃が走った。日米間には、アマプロを問わず互いの選手と直接交渉しないという紳士協定が存在したと言われ、メジャー側のタンパリング(不正交渉)と非難の声もあった。しかし、アマチュア選手には職業選択の自由があり、結局はプロ側が時代の趨勢に押された形で全球団が指名を回避した。

(武田薫 スポーツライター / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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