田熊石畑遺跡(読み)たぐまいしはたいせき

国指定史跡ガイド 「田熊石畑遺跡」の解説

たぐまいしはたいせき【田熊石畑遺跡】


福岡県宗像(むなかた)市田熊にある集落跡。県の北部、釣(つり)川中流域の左岸、標高12mの独立した台地上に立地する。2008年(平成20)、土地開発に先駆けた発掘調査で弥生時代中期前半ころの墓域が見つかり、6基の木棺墓から銅剣銅矛など青銅製武器が15点出土した。墓域の北側には居住地域が広がり、竪穴(たてあな)住居や柱穴、貯蔵穴なども検出され、直径約60mと推定される環濠も確認された。副葬された15点の青銅製武器は、この時代の1ヵ所の墓群から出た点数としては最多であり、宗像地域での有力者集団の存在が想定される。北部九州での弥生時代の集落と墓制を考えるうえで重要として、2010年(平成22)に国の史跡に指定された。JR鹿児島本線東郷駅から徒歩約15分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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