日本歴史地名大系 「甲努郷」の解説 甲努郷こうのごう 岡山県:備中国小田郡甲努郷「和名抄」諸本に「加布乃」の訓がある。郷域については「大日本地名辞書」「岡山県通史」ともに、尾坂(おさか)川の流域で現笠岡市の北部地域にあたる甲弩(こうの)・走出(はしりで)・山口(やまぐち)・新賀(しんが)・関戸(せきど)の地域とする。推定郷域内には注目すべき遺跡がある。一つは走出と山口の境界にある丘陵に営まれている長福寺裏山(ちようふくじうらやま)古墳群である。長軸の長さ約六二メートルの双(ふた)つ塚(づか)と長軸の長さ約五〇メートルと推定される東塚(ひがしづか)はともに前方後円墳で、径約三六メートルの仙人塚(せんにんづか)は帆立貝式古墳で、このほか四基以上の円墳もあり、それぞれに豊富な副葬品をもつ。小田郡内にこのような規模の首長墓群はほかにない。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by