甲子の士禍(読み)こうしのしか(英語表記)Kapcha sahwa

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「甲子の士禍」の意味・わかりやすい解説

甲子の士禍
こうしのしか
Kapcha sahwa

朝鮮,朝鮮王朝 (李朝) の燕山君 10 (1504) 年,燕山君のなき母尹氏の復位問題から起った士禍。この年の干支が甲子にあたるため,この呼称がある。燕山君の奢侈浪費の結果,財政が困難になったため,王は功臣らに与えた田地奴婢を没収しようとしたので,功臣たちは反対に宮中生活に制限を加えようとし,反目が生じた。ここに任士洪が加わり,功臣排斥の陰謀を企て,尹妃が廃位,賜死された事情を燕山君に密告した。燕山君は驚き,尹氏を追崇して貞顕王后となし,成宗廟に配祀した。これに反対した権達手は処刑,李こうは流配された。また尹氏の廃妃に関連した尹弼商,李克均,成浚,李世佐,金宏弼ら数十名が殺害され,すでに死去した韓致享,韓明かい,鄭昌孫,魚世謙,鄭汝昌らも墓をあばかれ屍が切られ,その刑は家族や弟子にまで及んだ。

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