疑似グライ土(読み)ぎじグライど

百科事典マイペディア 「疑似グライ土」の意味・わかりやすい解説

疑似グライ土【ぎじグライど】

湿潤温帯の台地上に分布する土壌型の一つ。酸性腐植層の下に淡灰色の基質黄褐色斑紋のある層(疑似グライ層)があり,下位ほど黄褐色部分が優勢で,緻密(ちみつ)なシルト質母材に移る。融雪時や季節的多雨後に一時的に土層中に滞水夏季には急速に乾燥し,還元と酸化が繰り返されるような所に発達。日本では北海道,東北地方の段丘上に見られる。
→関連項目グライ土重粘土

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岩石学辞典 「疑似グライ土」の解説

擬似グライ土

非常に緻密なシルト状の土壌で,乾燥と水浸しが交互に行われたもの[Kubiena : 1953].

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世界大百科事典(旧版)内の疑似グライ土の言及

【土壌型】より

グライ土は地下水位の高い排水不良な無機質土壌で,嫌気(還元)的条件下にあるため鉄が還元されて生じた2価鉄化合物によって土層全体が緑灰色を示す。母材が緻密(ちみつ)で透水性が悪い場合には,地下水位が低くても雪どけ水や降雨水が季節的に土層内に停滞するようなところには疑似グライ土が生成する。これは土層内で湿潤と乾燥が周期的に反復されるため,鉄が還元されてぬけて灰色になった部分と,酸化されて黄橙色になった部分とが作り出す大理石模様をもつのが特徴である。…

※「疑似グライ土」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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