疲労骨折(読み)ヒロウコッセツ(その他表記)stress fracture

デジタル大辞泉 「疲労骨折」の意味・読み・例文・類語

ひろう‐こっせつ〔ヒラウ‐〕【疲労骨折】

骨の同じ部位に弱い力が繰り返し加わって起こる骨折。骨に小さなひびのできた状態で、運動時に痛むが、安静時には治まることが多い。骨折原因や発生時期が明確ではなく、発生初期にはX線での診断が難しい。発生部位は下腿かたい脛骨けいこつ腓骨ひこつなど)に多いが、肋骨ろっこつ腰椎ようついにも起こる。ストレス骨折。過労性骨障害。

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関連語 永井隆

日本大百科全書(ニッポニカ) 「疲労骨折」の意味・わかりやすい解説

疲労骨折
ひろうこっせつ
stress fracture

金属材料の疲労折損と同様な現象が骨にもみられ、持続性の反復外力によって骨組織が破綻(はたん)し骨折するものを疲労骨折という。かつては軍隊で新兵の猛訓練により潜行性の骨折が中足骨などにみられ、行軍骨折とか足腫(そくしゅ)とよばれていたが、近年ではスポーツ医学の面から注目されている。すなわち、トレーニングの兎(うさぎ)跳びによる腓骨(ひこつ)の疲労骨折は代表的なものである。

 発生部位としては下腿(かたい)の脛骨(けいこつ)や腓骨にもっとも多く、第2および第3中足骨にもしばしばみられ、おもにランニングやジャンプなどの反復練習による。また、バレーボールや野球などでは上肢の尺骨中央部から下方3分の1に多くみられ、ゴルフスウィングによる肋骨(ろっこつ)や第7頸椎棘(けいついきょく)突起の骨折などもよく知られている。

 最低1か月から2か月間のスポーツ活動の中止が必要である。予防としては、持続する反復運動の練習計画を改め、バランスのとれた筋肉トレーニングや年齢および体力に見合ったトレーニング方法を検討する。

[永井 隆]

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世界大百科事典(旧版)内の疲労骨折の言及

【骨折】より

…骨折の大部分は,正常な骨にその抵抗力以上の外力が加わって起こる外傷性骨折である。一回一回の外力はたとえ軽微であっても骨の同一部位に繰り返し加えられると,金属の疲労現象のようにその部に骨折が生じる場合があり,これを疲労骨折fatigue fractureという。また骨自体になんらかの病変があって,正常な骨であれば骨折しない程度の外力によって骨折を生じる場合を病的骨折pathological fractureという。…

※「疲労骨折」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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