ひび

精選版 日本国語大辞典 「ひび」の意味・読み・例文・類語

ひび

  1. 〘 名詞 〙 植物いぬがや(犬榧)」の異名。〔大和本草(1709)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ひび」の意味・わかりやすい解説

ひび(湿疹)
ひび

皮膚が乾燥して表皮の角質層の最表面がはがれ、かさかさしてくる落屑(らくせつ)性湿疹(しっしん)の俗称で、軽いかゆみがある。病状がさらに進むと、皮膚が硬くなって厚くなり、弾力性が低下して、皮膚に浅いあるいは深い割れ目として亀裂(きれつ)を生ずるようになる。これが亀裂性湿疹で、俗に「あかぎれ」とよばれる。どちらも幼小児と主婦におきやすく、小児では寒風や寒冷が、主婦では水仕事、とくにせっけん洗剤の使用によって皮膚表面の皮脂ならびに角層を損傷し、そのため湿潤さを失うことが主原因である。好発部位は、小児では手足と顔面、主婦では手である。

 ひび程度の病状ではハンドクリームの使用、あるいは5%サリチル酸ワセリンの塗布で十分である。主婦にみられるひびは軽い主婦湿疹であり、この段階で治すことがたいせつで、水仕事のあと手をよくふいて、マッサージをしながらハンドクリームあるいはワセリンを擦り込むとよい。せっけんや洗剤類が皮膚に直接触れないようにゴムまたはビニール手袋を用いることはよいが、かぶれをおこしやすいので、木綿の手袋をはめた上に二重に用いるのがよい。この方法はまた、ひびが悪化してあかぎれにならないように防いでくれる。

[伊崎正勝・伊崎誠一]


ひび(篊)
ひび / 篊

沿岸でノリを養殖する施設で、胞子を付着させて生育させるものをいう。古く、魚を捕獲するために海中に立てたひびにノリが着生したことから始まった。ナラカシなどの樹枝、マダケモウソウチクなどの竹類を用いた粗朶(そだ)ひび、網地を用いた網ひび、割り竹を簀子(すのこ)状に編んだ簾(すだれ)ひびがある。設置方法により、立体式、水平固定式、水平浮動式がある。現在はおもに網ひびが用いられ、これには水平固定式および水平浮動式がある。なお、粗朶ひびは、かつてはカキの採苗(種(たね)ガキ)に用いられていたが、現在ではホタテガイのひびなどが用いられており、これはひびとはいわず付着器とよばれる。

[小橋二夫]

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改訂新版 世界大百科事典 「ひび」の意味・わかりやすい解説

ひび
crack

手足や顔にできる皮膚の細かい浅い裂け目のこと。出血を伴い,赤くて深いものは一般にあかぎれと呼ばれる。寒冷による皮膚の脂腺・汗腺の機能低下,手足の不潔,洗剤類の使い過ぎ,体質,ビタミン欠乏などにより,皮膚,とくに最上層の角層が乾燥するために生ずる。青壮年女子の手にひびができる特殊な病気に進行性指掌角皮症がある。これは指先から始まり,しだいに手のひらのほうへ進行する病変で,とくによく使う右手のおや指,人さし指,中指に起こる。皮膚が乾燥した荒れた状態となり,わずかの赤みと光沢をもち,亀裂を生じ,指紋が無くなる。水仕事で悪化し,また冬に悪くなる傾向がある。ひびの予防と治療としては,保温に気をつけ,マッサージにより血液循環をよくし,水仕事には手袋を着用するように努め,皮膚を清潔にし,水仕事の後はよくふいてハンドクリームやビタミンA,Eを含む軟膏をすりこんでおく。
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普及版 字通 「ひび」の読み・字形・画数・意味

微】ひび

薄。

字通「」の項目を見る


【斐】ひび

美しい。

字通「斐」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ひび」の意味・わかりやすい解説

ひび

亀裂」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のひびの言及

【ノリ(海苔)】より


[生活史]
 アマノリ属の生活史はかなり複雑で,これについては諸説があり,種類ごとでも多少相違するようであるが,各種に共通する特徴は次のようにまとめることができる。 初秋に単胞子が〈ひび(篊)〉(付着器材)などに付着して発芽し,幼芽のうちに末端部にまた単胞子をつくる。単胞子は離脱して再び付着して発芽する。…

【ひび養殖(篊養殖)】より

…ノリおよびカキの養殖方法の一つ。ひび建式養殖ともいう。竹,そだ(細い木の枝),網,すだれなどを浅海に設置し,ノリの胞子やカキの幼生を付着させ,成長させる。…

【鋳造】より

…熱膨張の少ない砂を使い,可燃物を添加して,鋳型の表面層を硬化させ,侵食されにくい方案を立てる。(7)亀裂crack 鋳物の凝固および冷却収縮の際,鋳型の可縮性が悪く収縮が制限されたり,冷却速度が異なると,鋳物内部に残留応力を生じ,それが大きいと割れが生ずる。前者は可縮性のよい型を使うこと,後者は,肉厚の変化をできるだけ避けるなど,設計に立ちかえった検討を行う。…

【あかぎれ】より

…手のひら,足の裏,手足の指の皮膚に亀裂fissureを生じた状態のうち,その裂け目が深くて赤く見え,ときには出血し,ふつう痛みがあるもの。亀裂が細くて浅いものはひびといわれる。皮膚の働きの一つとして,機械的,物理的,化学的に有害な刺激を防ぎ,水分,有毒物質,細菌,真菌などの侵入を阻止し,また体液が失われるのを防ぐ対外保護作用がある。…

※「ひび」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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