発地村(読み)ほつちむら

日本歴史地名大系 「発地村」の解説

発地村
ほつちむら

[現在地名]軽井沢町発地

沓掛くつかけ宿の南方約三キロにある風越ふうえつ山と八風はつぷう山の間にあり、上下に分れる本村と枝郷杉瓜すぎうり及び馬越まごえからなる。天文五年(一五三六)「紙本墨書大般若経」(追分諏訪神社旧蔵)に「信州佐久郡大井庄於長倉発地」云々とあるのを初見とするが、境域内に二重空堀遺構や、浅間山麓に残る通称駒飼の土堤こまがいのどて」と同様の構成をもつ遺構が確認されて、古代の官牧長倉ながくら牧の一中心地で古い地域であることを裏付けている。また杉瓜にある杉瓜観音は、文明二年(一四七〇)の法華堂源宗(大井氏)の檀那職譲状にみえる「長倉之菅売神めい大夫」で、馬の神である(軽井沢町志)ことなど、馬にかかわり深い土地である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android