『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』の中品に収載されている漢薬。白殭病菌Batrytis bassiana Bals.に感染した、カイコBombyx mori L.の幼虫の硬直死した虫体を乾燥したもので、白姜蚕とも書く。鎮痙(ちんけい)・鎮痛薬として、小児けいれん、扁桃(へんとう)炎、頭痛、歯痛のほか、中風(ちゅうぶ)による言語障害、半身不随などに内服する。有効成分は未詳。従来は養蚕中に自然発生したが、技術向上により自然発生が少なくなったため、現在では、薬用に供するため、カイコに病原菌を植え付け、白殭蚕を人工培養している。