白殭蚕(読み)びゃくきょうさん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「白殭蚕」の意味・わかりやすい解説

白殭蚕
びゃくきょうさん

『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』の中品に収載されている漢薬。白殭病菌Batrytis bassiana Bals.に感染した、カイコBombyx mori L.の幼虫硬直死した虫体を乾燥したもので、白姜蚕とも書く。鎮痙(ちんけい)・鎮痛薬として、小児けいれん扁桃(へんとう)炎、頭痛、歯痛のほか、中風(ちゅうぶ)による言語障害、半身不随などに内服する。有効成分は未詳。従来は養蚕中に自然発生したが、技術向上により自然発生が少なくなったため、現在では、薬用に供するため、カイコに病原菌を植え付け、白殭蚕を人工培養している。

[難波恒雄・御影雅幸]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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