日本大百科全書(ニッポニカ) 「小児けいれん」の意味・わかりやすい解説
小児けいれん
しょうにけいれん
小児にみられるけいれんをいう。小児期はけいれんをおこしやすい時期であり、小児人口の10%は小児期に一度はけいれんを経験するという。小児けいれんの原因は、感染症、出血、腫瘍(しゅよう)、中毒、てんかんといろいろあるが、もっとも多いのは発熱とともにひきつける熱性けいれんである。
熱性けいれんは、生後6か月から2歳ころに発症し、6歳ころまでに消失する。体温が急に上昇して高熱になるときにおこり、強直性けいれんあるいは間代(かんたい)性けいれんとなる。持続はだいたい5分以内で終了する。
てんかんは、発作的に脳の神経細胞に電気的興奮がおこり、意識、運動、感覚などに異常をきたす状態をいう。発作の型としては、大発作、小発作、点頭てんかん、精神運動発作などがあり、適切な治療を早期に行わないと知能障害をおこすことがある。
小児けいれんの診断には、脳波の検査が非常に重要である。
[山口規容子]