小児けいれん(読み)しょうにけいれん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「小児けいれん」の意味・わかりやすい解説

小児けいれん
しょうにけいれん

小児にみられるけいれんをいう。小児期はけいれんをおこしやすい時期であり、小児人口の10%は小児期に一度はけいれんを経験するという。小児けいれんの原因は、感染症、出血腫瘍(しゅよう)、中毒てんかんといろいろあるが、もっとも多いのは発熱とともにひきつける熱性けいれんである。

 熱性けいれんは、生後6か月から2歳ころに発症し、6歳ころまでに消失する。体温が急に上昇して高熱になるときにおこり、強直性けいれんあるいは間代(かんたい)性けいれんとなる。持続はだいたい5分以内で終了する。

 てんかんは、発作的に脳の神経細胞に電気的興奮がおこり、意識、運動、感覚などに異常をきたす状態をいう。発作の型としては、大発作、小発作、点頭てんかん、精神運動発作などがあり、適切な治療を早期に行わないと知能障害をおこすことがある。

 小児けいれんの診断には、脳波の検査が非常に重要である。

[山口規容子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android