白鳥処女伝説(読み)はくちょうしょじょでんせつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

異類婚姻譚の一つ。天界から飛来した白鳥が,女人の姿となり,水辺の衣を脱いで水浴するうち,それを盗み見た男が羽の衣を隠す。そのため女人はもとの白鳥へ戻ることができず,やむをえずその男の妻となり,子をもうけるが,ある日,ふとしたことで男の隠した羽の衣を見つけ,再び白鳥となって天界へ去るというもの。伝承地によっては白鳥ではなく,ほかの鳥もしくはとなっている例もある。日本においては羽衣伝説にみられるとおり,天女の姿をとるものが一般的である。分布はアジア,ヨーロッパアラブ,北アメリカ,アフリカなど,広く世界諸民族にわたる。日本では『常陸国風土記』など多くの文献みえ,また『千一夜物語』や中国の『捜神記』など世界各地の文献にもみえるが,最古の例はインドの『リグ・ベーダ』に描かれたものとされる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

関連語をあわせて調べる

今日のキーワード

妨害運転罪

2020年に施行された改正道路交通法で新設された罰則。他の車の通行を妨げる目的で、車間距離の不保持、急ブレーキ、幅寄せや蛇行運転、対向車線からの接近や逆走をするなどの10の違反行為を妨害運転と定義して...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android