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羽衣伝説 はごろもでんせつ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

羽衣伝説
はごろもでんせつ

世界に広く流布する白鳥処女伝説の系統に属する天人女房譚の一つ。『本朝神社考』『常陸国風土記』など多くの文献にみえており,日本各地にさまざまな話型で伝えられている。いずれも天降った天女が水浴中に羽衣を盗まれて,やむをえず羽衣を隠した男の妻となり子をもうけるが,やがて羽衣をみつけて再び天に帰るといった類のもので,沖縄本島から喜界島にかけて伝わるものには,さらに難題婿の要素を加え,天の川の由来譚となっているものもある。

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デジタル大辞泉の解説

はごろも‐でんせつ【羽衣伝説】

日本の伝説の一。天下った天女が水浴中に羽衣を男に奪われて天に帰れず、しばらくその妻となって暮らすうちに羽衣を取り返して天に戻るという話。→白鳥処女説話

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百科事典マイペディアの解説

羽衣伝説【はごろもでんせつ】

羽衣を隠されて天に帰れなくなった天女の説話。隠した男と夫婦になるが,《丹後(たんご)国風土記》逸文では老夫婦の娘になる。《朗詠抄》などでは天に帰った女を追って男も昇天し七夕(たなばた)の星となる。
→関連項目竹取物語羽衣三保松原

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大辞林 第三版の解説

はごろもでんせつ【羽衣伝説】

天女が地上で水浴中、羽衣を男に隠されてやむなく妻となるが、やがて羽衣を取り返して天に昇るという伝説。白鳥処女説話の変形。中国・朝鮮などにも広く分布する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

羽衣伝説
はごろもでんせつ

天人女房譚(てんにんにょうぼうたん)ともいい、ヨーロッパでは白鳥処女伝説といわれる。天女(てんにょ)が地上の川や湖に天降(くだ)って水浴をすると、人間の男が天女の衣をひそかにとって隠し、天に帰れなくなった天女と結婚するというのが標準的な筋である。2人の間に子供が生まれる形も、生まれない形もあり、天女がその羽衣を得て天に帰る形をとることもある。その場合、夫婦が別れてしまうものも、夫が妻を天に追いかけていっていっしょになるものもあり、羽衣伝説は多くの形式に分けることができる。[大林太良]

分布と事例

羽衣伝説は世界的に広く分布しているが、ことにヨーロッパ、西アジア、東アジア、東南アジアにおいて分布が濃密である。羽衣伝説が全然ないか、あるいはほとんど存在しないのは、アフリカ、オーストラリア、ポリネシアであって、中間の分布密度をもつ所はアメリカ大陸、北・中央アジア、インドである。羽衣伝説はインドに発祥したという説があるが、十分証明されているわけではない。羽衣型の伝承は、神話や伝説として語られる場合には、特定の家系、英雄の始祖伝承や、特定の神の由来説話の形をとることもあり、また昔話として語られることもある。日本では古くは『丹後国風土記(たんごのくにふどき)』逸文に出ているが、京丹後市弥栄(やさか)町の奈具(なぐ)の社に鎮座する豊受賀能売命(とようがのめのみこと)の由来伝説である。この風土記の話では、天女の羽衣をとったのは老夫婦だったので、天女はその養女となる点で、標準形からすこしずれている。ただこの天女がおいしい酒をつくって売ったので、養父母が富裕になったというのは、東南アジアやメラネシアの天女にもみられる豊穣(ほうじょう)性を示している。つまり、ジャワの羽衣伝説の天女は、一粒の米で鍋(なべ)いっぱいの御飯を炊き、ニュー・ヘブリデス諸島の天女は、畑で手を向ければその手にタロイモが握られており、しかも畑のタロイモはそのまま残っているというように、さまざまな形で奇跡的な豊穣力を現している。そのほか地域的に特色あるモチーフとしては、盗んだ羽衣を米庫の米の下に隠すモチーフが、中国、琉球(りゅうきゅう)列島、フィリピン、ジャワなどにある。また天女が鳥であるモチーフは世界的に多いが、インドネシアの東部からミクロネシアにかけては、女主人公に魚やイルカなどの水中の動物である形式が分布し、七夕(たなばた)の起源伝承の形をとるものは中国、日本に分布し、女が魔法によって鳥に化していたモチーフは、西アジアやヨーロッパにみられる。[大林太良]
『西村真次著『神話学概論』(1927・早稲田大学出版部) ▽福田晃他編『南島説話の伝承』(1982・三弥井書店)』

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