デジタル大辞泉
「捜神記」の意味・読み・例文・類語
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そうしんきサウシンキ【捜神記】
- 中国、六朝時代の小説集。二〇巻。東晉の干宝(かんぽう)作。四世紀ごろの成立。逸話、古奇談、民間説話などを簡潔な文章で記録したもの。原本は散逸、現行本は類書などに引かれたものを集めたもので八巻本と二〇巻本とがある。仏教の影響を受けた小説としては最古のもの。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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捜神記
そうじんき
中国、六朝(りくちょう)時代の志怪(しかい)書。20巻。東晋(とうしん)の歴史家干宝(かんぽう)(317ころ在世)の著。彼は当代一流の学者・文章家であったが、超自然的な摂理の虚妄でないことを明らかにしようとして本書を著した。当時これに類する志怪書が数多く著されたが、なかでも『捜神記』は、比較的初期のもので、文章も優れ、神仙、方士(ほうし)、占卜(せんぼく)、風神、雷神など天地の神々、吉兆、凶兆、孝子烈女、妖怪(ようかい)、異婚異産、死者の再生、幽鬼幽界、動物の報恩復仇(ふっきゅう)など、内容も多彩で、中国の説話の宝庫であり、また、唐代の伝奇など、後世の小説に題材を提供している点で、説話学や文学史上高く評価される。原テキストは失われ、現存のテキストは、明(みん)の万暦年間(1573~1619)の刊行である。八巻本も伝えられるが、20巻本のほうが原著のおもかげを、より色濃く伝えている。
[竹田 晃]
『竹田晃訳『捜神記』(平凡社・東洋文庫)』
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捜神記 (そうしんき)
Sōu shén jì
中国,東晋の歴史家の干宝(かんぽう)の著。志怪(しかい)小説の代表作。埋葬後十数年たってよみがえった父の妾,また数日間の気絶状態から息をふきかえした兄がいずれも冥界の様子を語ったのに感じて著されたという。冥界物語のほか,古代神話や民間説話の宝庫でもある。《日本国見在書目録》にも著録されている。原書はいったん失われ,現在では20巻と8巻の2種のテキストが存するが,20巻本のほうがよく原型を伝える。
執筆者:吉川 忠夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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捜神記
そうじんき
Sou-shen-ji
中国,六朝時代の文語志怪小説集。晋の干宝 (かんぼう) の著。神仙,道術,妖怪などから動植物の怪異,吉兆,凶兆の話など奇怪な話を記す。著者の干宝は有名な歴史家であるが,身辺に死者が蘇生する事件が再度起ったことに刺激され,古今の奇談を集めて本書をつくったという。もと 30巻あったと記されているが,現在伝わるのは系統の異なる 20巻本と8巻本で,まったくのもとの姿ではない。当時,類似の志怪書は多く著わされたが,本書はそのなかでも比較的時期も早く,歴史家らしい簡潔な名文で中国説話の原型が多く記されており,唐代の伝奇小説など後世の小説に素材を提供し,中国小説の萌芽ということができる。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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捜神記【そうしんき】
中国の怪異説話集。晋の歴史家干宝(かんぽう)(生没年不詳)の編集にかかる。原書はいったん失われ,現存20巻。神仙,方士,異物異聞,妖怪などに関する470編の説話を集める。盤古説話,羽衣説話などがある。類書に陶潜作と伝える《捜神後記》10巻がある。
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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世界大百科事典(旧版)内の捜神記の言及
【干宝】より
…また《易》や《周礼》などの古典に注を付けた。しかし干宝の名が後世に記憶されるのは,《捜神記》30巻を著したことによってである。《[捜神記]》は,南北朝時代を通じて数多く著された〈志怪小説〉と呼ばれる一群の怪異の記録の代表作。…
【中国文学】より
… 〈[小説]〉はもともとささいな雑記の集録であった。魏・晋以後二つの方向をとり,干宝の《捜神記》と劉義慶の《世説(せせつ)新語》とがそれぞれを代表する。前者は怪異談を集め,超自然への恐れを核とする幻想の拡大へ向かい,仏教や道教の霊験記の類と親近性がある。…
※「捜神記」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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