百学連環(読み)ヒャクガクレンカン

デジタル大辞泉 「百学連環」の意味・読み・例文・類語

ひゃくがくれんかん〔ヒヤクガクレンクワン〕【百学連環】

西周にしあまね著作。明治3年(1870)に私塾育英舎で行った講義内容をまとめたもの。書名encyclopedia訳語

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「百学連環」の意味・わかりやすい解説

百学連環
ひゃくがくれんかん

明治期の啓蒙(けいもう)思想家西周(にしあまね)の主著の一つ。1870年(明治3)から自宅育英舎において講義されたもので、自筆ノート『百学連環覚書』と、永見裕の講義筆録『百学連環』よりなる。いずれも大久保利謙編『西周全集』第四巻に収められている。「百学連環」の語はEncyclopediaの訳語であり、ここで西は、西洋の知識を基礎として、独自の学問組織論を展開している。まず、学問を「普通学」Common Scienceと「殊別学」Particular Scienceに大別し、さらに後者を「心理上学」Intellectual Scienceと「物理上学」Physical Scienceに分類している。『百一新論』は、この『百学連環』の序論として読まれるべきものである。

[渡辺和靖]

『大久保利謙編『西周全集 第四巻』(1966・宗高書房)』

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