百貫(読み)ヒャッカン

デジタル大辞泉 「百貫」の意味・読み・例文・類語

ひゃっ‐かん〔ヒヤククワン〕【百貫】

[名]
1貫の100倍の重さ。また、非常に目方の重いこと。
銭1貫の100倍。また、非常に価値あるもののたとえ。
「男は裸が―」〈浮・五人女・一〉
[副]はるかに。ずっと。
「使ひつけたすきくははたけなぶりが―ましと」〈浄・源頼家源実朝鎌倉三代記

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精選版 日本国語大辞典 「百貫」の意味・読み・例文・類語

ひゃっ‐かんヒャククヮン【百貫】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙一貫の一〇〇倍。
    1. (イ) 銭十万枚のこと。また、銭の多いこと。転じて、価値あるもののたとえ。
      1. [初出の実例]「千手院に収めたる修理(すり)分の銭、百貫无し」(出典日本霊異記(810‐824)中)
    2. (ロ) 一貫の一〇〇倍の重さ。約三七五キログラム。また、きわめて目方の重いこと。
      1. [初出の実例]「とじき十具ばかりにて百くんなんありける」(出典:宇津保物語(970‐999頃)蔵開上)
  2. [ 2 ] 〘 副詞 〙 はるかに。もっと。
    1. [初出の実例]「臼の上の住居せふよりは、やっはり人間が百貫ましじゃ」(出典:浄瑠璃・本田善光日本鑑(1740)四)

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