皿回し(読み)サラマワシ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「皿回し」の意味・わかりやすい解説

皿回し
さらまわし

器物を用いる曲芸の一種で、皿や茶碗(ちゃわん)、丼鉢(どんぶりばち)などを木の細い竿(さお)やきせるなどで頭上高く回すもの。奈良時代に中国から伝来した散楽雑伎(さんがくざつぎ)の一種といわれる。1616年(元和2)刊の『このころ草』にすでにその芸人がみえ、1690年(元禄3)刊の『人倫訓蒙図彙(じんりんきんもうずい)』では締太鼓(しめだいこ)を伴奏に鼻の上に竿を立てて皿を回す芸人が描かれている。明治に入ると、柳(やなぎ)派の一柳(いちりゅう)という芸人が寄席(よせ)芸のなかに取り入れ、今日に伝わっている。中国などでも古くから発達し、曲芸団演目となっている。

[織田紘二]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

2022年度から実施されている高校の現行学習指導要領で必修となった科目。実社会や実生活で必要となる国語力の育成を狙いとし、「話す・聞く」「書く」「読む」の3領域で思考力や表現力を育てる。教科書作りの...

現代の国語の用語解説を読む