目並(読み)めならぶ

精選版 日本国語大辞典 「目並」の意味・読み・例文・類語

め‐なら・ぶ【目並】

[1] 〘他バ下二〙 多くの人の目を経る。一説に、並べてよく見くらべる。
万葉(8C後)七・一二六四「西の市にただ独り出でて眼不並(めならべず)買ひてし絹の商(あき)じこりかも」
[2] 〘自バ四〙 語義未詳。目が並ぶの意から、親しくする、仲が良いなどの意か。一説に、目の前に並ぶ。
古今(905‐914)恋五・七五四「花がたみめならぶ人のあまたあれば忘られぬらむ数ならぬ身は〈よみ人しらず〉」
[補注](二)の「古今集」の例は、見くらべる、大勢の人を見るなど、古来さまざまな解釈が行なわれているが、契沖が「古今余材抄」に引用している「菅家文草‐四・冬夜有感簡藤司馬」の「更有何人比目看(更に何人か目を比(なら)べて看ること有らむ)」という例を参考にすると、二人の目が並ぶ、つまり、ともに見る、の意から、親しくする、仲が良い、などの意になるかと考えられる。

め‐なら【目並】

〘名〙 商人などの符牒(ふちょう)一つ。同じ数が二つならんだもの。
滑稽本浮世床(1813‐23)二「最う余りだから五十損をして五百五十(メナラ)にしてやらう」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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