相可宿(読み)おうかしゆく

日本歴史地名大系 「相可宿」の解説

相可宿
おうかしゆく

相可は古来初瀬はせ(伊勢)本街道の宿場として栄えた。室町末期、大和初瀬から山田(現伊勢市)に至った連歌師宗碩の紀行文「さののわたり」には、「夜になりて多芸へ行つきぬ、(中略)又のあした北畠の少将家に参る、御対面あり、それよりいそぎたちて相可といふ所に行ぬ、(中略)いさはとやらむいふ所にて、をくりのことどもととのへて、けふぞ山田につき侍りぬる」とあり、天正四年(一五七六)伊予宇和島城主西園寺宣久の「伊勢参宮海陸之記」(神宮文庫蔵)にも「伊勢の山田よりあふか(相可)へ四里、柘榴屋立宿、みかき(仁柿)へ五里也、甲屋に二宿、前の国司小石(大石)と云所におはすなり、たけ(多気)をば飽給ふと云、当時の国司茶筅殿、城は田丸に有、みかきに三日滞留する、(中略)やかてひつ坂を越て、たけへ二里計り、たけより貝坂(飼坂)を越る」とあり、相可が初瀬本街道の宿場として柘榴屋などの旅籠を有していたことがわかる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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