出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
… 民法上のものは,特定の規定によって一定範囲の親族に限定されている。たとえば,同居・協力・扶助の権利・義務は夫婦間について(752条),子の監護・教育の権利・義務は親と未成年の子の間について(818,819条および820条以下),扶養義務は原則として直系血族と兄弟姉妹の間について(877条),近親婚の禁止は直系血族と三親等内の傍系血族について(734条),相続権は子・直系尊属・兄弟姉妹・配偶者について(887,889,890条)のみ認められている。また民法外の効果では,たとえば,窃盗・詐欺・横領などの罪について直系血族・配偶者・同居の親族の間においては刑は免除され(刑法244条(親族相盗),251,255条),刑事裁判では配偶者・三親等内の血族および二親等内の姻族は証言拒否権を認められ(刑事訴訟法147条),民事裁判でもほぼ同じ権利が認められている(ただ民事訴訟法196条では配偶者,四親等内の血族および三親等内の姻族となっている)。…
…配偶者,直系卑属または直系尊属が相続人として存在する場合には,遺産の一定部分は,第三者のためにも相続人の一部のためにも,遺言によって処分することができない。この割合を遺留分といい,そのようにして相続権を保障される相続人を遺留分権者という。法定相続と遺言相続のいずれを原則と考えるかについては,後者を原則とし,前者は遺言がない場合に被相続人の意思を推定して定められた補充的制度だという考え方(遺言相続主義)と,前者を原則とし,後者を一定の範囲において法律上の相続分を再調整することを認めるために定められた調整的制度だという考え方(法定相続主義)が対立する。…
※「相続権」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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