改訂新版 世界大百科事典 「真円度」の意味・わかりやすい解説
真円度 (しんえんど)
deviation from roundness
circularity deviation
真円度は円形形体の幾何学的に正しい円からの狂いの大きさである。その大きさは円形形体を二つの同心の幾何学的に正しい円で挟んだとき,同心2円の間隔が最小となるときの2円の半径差をもって表す(図1-a)。このほか,円形形体の最小二乗法で求めた平均円の中心と同心の二つの幾何学的円で挟んだ半径差で表す場合(図1-b),円形形体に外接する円の中心と同心の内接円との半径差で表す場合(図1-c),円形形体に内接する円の中心と同心の外接との半径差で表す場合(図1-d)があり,円形形体の使用条件で選択される。これらの半径法真円度に対し,円のもつ特性を利用して,円柱や丸穴の軸線に直角な断面内の数方向の直径の最大差で表す直径法真円度,図2-aのように円柱をVブロックにのせて回したときの円柱上面の高さの変動の範囲や,図2-bのように丸穴での三脚ゲージの読みのばらつきの範囲で表す三点法真円度が,簡便法として用いられている。
円筒形体の狂いである円筒度を求めることは容易ではないので,真円度,軸線の真直度,相対する母線の平行度で円筒形体を推定することが多い。
執筆者:沢辺 雅二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報