真板仲貞(読み)まいた・なかさだ

朝日日本歴史人物事典 「真板仲貞」の解説

真板仲貞

没年応安1/正平23頃(1368)
生年:生年不詳
南北朝時代の武士山城国(京都府)上久世荘公文。父は大弐房覚賢。建武3/延元1(1336)年,父覚賢は足利尊氏の軍勢催促に応じた恩賞として,東寺に寄進されていた上久世荘の領家職半分を半済により地頭職として与えられ,室町幕府御家人となった。仲貞は父の死によりこれを継承するが,暦応2/延元4年,半済による恩賞の地を別に与えるという条件で足利直義により同職を停止された。しかし,替地は与えられなかったようで,当初は御家人復帰の可能性を残していたが,観応1/正平5(1350)年には,公文として忠勤を励むとの起請文を東寺に提出し,その可能性を放棄。以後東寺の支配安定に寄与し,約100年間にわたり真板氏は上久世荘の公文職となる。<参考文献>上島有『京郊庄園村落の研究

(石田晴男)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「真板仲貞」の解説

真板仲貞 まいた-なかさだ

?-? 南北朝時代の荘官
大弐坊覚賢(かくけん)の子。室町幕府の御家人だったが,暦応(りゃくおう)2=延元4年(1339)幕府から,山城(京都府)上久世(かみくぜの)荘に所有する半済(はんぜい)地を領家東寺に返還するよう命じられ,東寺の公文(くもん)(荘官)に転身。荘園研究の貴重な史料「百姓名名寄(なよせ)帳」をのこした。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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