着陣(読み)チャクジン

デジタル大辞泉 「着陣」の意味・読み・例文・類語

ちゃく‐じん〔‐ヂン〕【着陣】

[名](スル)
陣地に到着すること。
「ひでよし公三井でらに―あそばされ」〈谷崎・盲目物語〉
公卿陣の座に着くこと。
「近衛殿―し給ひける時」〈徒然・一〇二〉

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精選版 日本国語大辞典 「着陣」の意味・読み・例文・類語

ちゃく‐じん‥ヂン【着陣】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 公卿(くぎょう)内裏の陣の座につくこと。
    1. [初出の実例]「次惟仲・公任出。自余留立。拝舞出帰、参陣。懐忠着陣」(出典:小右記‐長徳元年(995)六月一九日)
    2. 「近衛殿著陣し給ける時軾(ひざつき)を忘れて、外記を召されければ」(出典:徒然草(1331頃)一〇二)
  3. 武士陣営に到着すること。
    1. [初出の実例]「今度最前上州着陣条、尤以神妙」(出典:上杉家文書‐永享一〇年(1438)一〇月二一日・将軍家足利義教御感御内書)

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世界大百科事典(旧版)内の着陣の言及

【陣座】より

…朝儀・公事の中心が朝堂院や太政官庁から内裏に移った平安中期以降は,陣座で公卿の議定(陣定(じんのさだめ))や親王宣下などの公事が行われるようになった。また公卿は任官あるいは官位昇進などに際しては,公事奉行に先立ち,宜陽殿の本座と陣座に着く儀礼があり,前者を着座,後者を着陣といった。【橋本 義彦】。…

※「着陣」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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