矢野町（読み）やのまち

日本歴史地名大系

矢野町
やのまち

• 愛媛県：八幡浜市
• 矢野町

[現在地名]八幡浜市矢野町

五反田（ごたんだ）川下流左岸の街村。東は南茅（みなみかや）村、西は栗野（くりの）浦に接する。

慶安元年伊予国知行高郷村数帳（一六四八）宇和郡の項に「矢野町村　小川有、水損所」と記され、水害を受けやすい村であった。宇和島藩領。

古代・中世の矢野郷・矢野保内（やのほない）の地名を残し、それらの中心的な地域だったかと思われる。宇和盆地の松葉（まつば）町（現東宇和郡宇和町）と同じく近世初頭から在町として認められ、株仲間商人が活発に経済活動を行っていたと考えられる。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」

世界大百科事典（旧版）内の矢野町の言及

【八幡浜[市]】より

…当市域を中心とする一帯は平安時代末期，池大納言平頼盛の所領矢野保(矢野領)の地で，南北朝期には摂津氏の支配下にあった。中世から近世にかけて矢野保内（やのほない），保内郷の称も生じ，八幡浜湾に注ぐ五反田川下流の矢野町は，近世，宇和島藩の在郷町であった。矢野町の北にある八幡浜は漁村であったが，江戸時代後期から港が整備され，幕末に藩の御用商人によって，大坂，長崎との航路が開かれ，明治～大正期には〈伊予の大阪〉といわれるほど商業で栄えた。…

※「矢野町」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」