普及版 字通 「矣」の読み・字形・画数・意味


7画

[字音]

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
厶(し)+矢。厶の初形は(し)で耜(すき)の初文。耜に矢を加えて清め祓う意。その声を矣・・欸、その動作を挨という。〔詩、小雅、十月之交〕に謀(ばい)・(らい)と韻している。〔説文〕五下に「語已(をは)るの詞なり」とし、以声の字とするが、もとは矢で厶(すき)を祓う儀礼で、その声をいう。語句を強く結ぶとき、その声を加えたのであろう。

[訓義]
1. 語末の助詞断定・決定・決意など、強い語気を示す語である。

[古辞書の訓]
〔字鏡集〕矣 トドム・ヒサシ・カナ・タケヒキ

[声系]
〔説文〕に矣声として・俟・欸・・竢・・挨・埃など十一字を収め、・欸・挨などは矣の字形が示す呪儀に関する字であろう。欸乃(あいだい)はゆるやかな舟歌などをいう。

[語系]
矣・也・已jiは同声。ともに語末に感動を含めてそえる。その劇(はげ)しい声はyet、ゆるやかな声は應(応)ing、憂うる声は悒jp、みな一系の語である。

[下接語]
懿矣(よいかな)・矣(うつたり)・鬱矣(うつたり)・往矣(ゆけや)・久矣(ひさしいかな)・休矣(よきかな)・行矣(ゆけや)・皇矣(おおいなり)・尚矣(ひさしいかな)・甚矣(はなはだし)・壮矣(さかんなり)・逖矣(はるかなり)・悲矣(かなしいかな)・勉矣(つとめよや)・耄矣(おいたり)・老矣(おいたり)

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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