精選版 日本国語大辞典 「欸乃」の意味・読み・例文・類語 あい‐だい【欸乃・靄迺】 〘 名詞 〙① 舟の艫(ろ)のきしる音。また、船に棹(さお)さす時に掛ける声。転じて、船人のうたう歌。船頭歌。船歌。棹歌。あいない。[初出の実例]「帰去来兮波浪嶮。数声欸乃白鴎前」(出典:了幻集(1392頃)春江)「夕日にかがやく白帆と共に、強い生生とした眺である。之れは美しいが、夜の欸乃は侘(わび)しい」(出典:嵐(1906)〈寺田寅彦〉)[その他の文献]〔柳宗元‐漁翁詩〕② 木こりのうたう歌。〔頤菴居士集〕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
普及版 字通 「欸乃」の読み・字形・画数・意味 【欸乃】あいだい・あいあい・あいない 舟人が相応(こた)える声。櫓(ろ)の音。舟歌。唐・柳宗元〔漁翁〕詩 銷(き)え日出でて、人を見ず 欸乃一聲、山水なり猥欸(わいあい)・靄乃(あいだい)・靄廼(あいだい)も同じ。唐・元結〔欸乃曲の序〕に、結が大暦の初め、道州刺史のときに欸乃曲を作ったといい、宋・黄庭堅の説に、欸乃は歌中に加える相の手の声であるという。字通「欸」の項目を見る。 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報