知財高裁(読み)チザイコウサイ

共同通信ニュース用語解説 「知財高裁」の解説

知財高裁

正式名称は知的財産高等裁判所。東京高裁の「特別の支部」という位置付けで発足した。特許実用新案商標権など知的財産をめぐる全国の民事訴訟控訴審と、特許の有効、無効をめぐる特許庁審決の取り消しに関する訴訟の一審を取り扱う。裁判官の他、弁理士などの経験者で技術的な事項を調べる調査官配置。さらに化学や情報通信など各分野の大学教授や企業研究者ら約200人が、非常勤の専門委員として助言をしている。

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知恵蔵 「知財高裁」の解説

知財高裁

急増する特許権や著作権などの知的財産をめぐる争いを専門に扱う裁判所として、2005年4月に東京高裁の中に発足した。正式名称は「知的財産高等裁判所」で、日本で唯一の専門裁判所。司法制度改革目玉の1つで、知的財産権の保護を重視する国の政策一環でもある。 全国すべての特許権に関する民事訴訟の控訴審を管轄するほか、特許庁の審決に対する取り消し訴訟を専属的に管轄する。 企業の存亡がかかる訴訟も少なくないため、迅速な判断が求められる。意見を求めるために各分野の技術専門家や弁理士らを「専門委員」として配置。高度な技術判断にも対応できる裁判官の育成が課題となっている。 社会的な影響が大きいと判断された訴訟は、通常より2人多い5人の裁判官で審理する「大合議部」に回される。ワープロソフト「一太郎」の製造販売の禁止を命じた一審判決を覆した判決(05年9月)や、プリンターインクカートリッジの再生品の販売禁止などを認めた判決(06年1月)などのケースがある。

(岩田清隆 朝日新聞記者 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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