朝日日本歴史人物事典 「石村石楯」の解説
石村石楯
奈良時代の武人官僚。天平宝字8年9月18日(764.10.17)近江国勝野浜(滋賀県高島町)で藤原仲麻呂を捕らえその首級をあげた。その功により大初位下から従五位下勲4等外衛将監となり,さらに一族と共に坂上忌寸の氏姓を賜ったが,平城京左京の人で三河国碧海郡(碧南市付近)の出身らしい(『続日本紀』天平神護1年4月26日条)。その後,出羽介,中衛将監となった。その妻紀多継と息子氏成,娘秋穂の3人は宝亀10(779)年閏5月,石楯の菩提を弔うため『大般若波羅蜜多経』1部600巻を書写した。その中の1巻(巻176)が奈良市の唐招提寺に現存する。
(岩本次郎)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報