百科事典マイペディア 「大般若波羅蜜多経」の意味・わかりやすい解説
大般若波羅蜜多経【だいはんにゃはらみつたきょう】
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…現存のものでは,寛治2年(1088)模工僧観増の刊記のある《成唯識論(じようゆいしきろん)》10巻(残巻,正倉院蔵),元永2年(1119)模工僧延観の刊記のある《成唯識論》巻十(京都守屋家蔵)などが古いほうである。このほか春日版と称されるもののうちには,建暦2年(1212)刊《瑜伽師地論》100巻,承元3年(1209)刊《法華経普門品》3333巻,嘉禄年間(1225‐27)に刊行された《大般若波羅蜜多経》600巻など,質量ともにすぐれたものがある。なお,当時の版木の現存するものも比較的多く,興福寺北円堂に現存する《成唯識論述記》の版木は,1195年(建久6)の彫刻で,現存古刻版木のうち最も古いものの一つである。…
…太宗はおおいに喜び勅を下してただちに訳経に従事させ,故郷に近い少林寺で訳経したいとの希望はうけいれられなかったが,はじめは弘福寺で,のちには大慈恩寺で訳経に専念した。彼が20年間に訳出した大乗小乗の経論は,《大般若波羅蜜多経》600巻をはじめ,《瑜迦師地論》《俱舎論》など75部,1235巻に達した。その訳風は忠実に逐語訳をなす特徴をもち,新訳と称され,クマーラジーバ(鳩摩羅什)らの旧訳と区別される。…
…〈般若波羅蜜〉を強調する経典として《小品般若経(しようぼんはんにやぎよう)》《大品般若経》が挙げられるが,とくに一般に流行したものとしては《般若心経》《金剛般若経》がある。それらは《大般若波羅蜜多経》600巻(玄奘訳)として集大成された。さらに密教では,〈般若〉と〈方便(ほうべん)〉(ウパーヤupāya)とがあいまってはじめて解脱が成就されると説かれた。…
※「大般若波羅蜜多経」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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