石燕(読み)せきえん

大辞林 第三版の解説

いしつばめ【石燕】

せきえん【石燕】

腕足類の化石。石灰質の殻が翼を広げたツバメに似た形状で、表面に放射状のひだがあり、内部に螺旋らせん状の腕骨がある。古生代のシルル紀から二畳紀にかけて世界各地に生息した。示準化石とされる。中国では、その粉末を漢方薬として古くから用いた。いしつばめ。スピリファー。

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精選版 日本国語大辞典の解説

いし‐つばめ【石燕】

〘名〙 腕足類の化石動物。世界的に分布するが、日本では秩父地方に多く見られる。せきえん。スピリフェル。〔和漢三才図会(1712)〕

せき‐えん【石燕】

〘名〙 =スピリフェル
※山槐記‐治承二年(1178)一一月一二日「石二、典薬頭定成朝臣十月一日進一対、入道大相国又一対被献之、其体白石也、似螬、其程如大柑子」
※春雨文庫(1876‐82)〈松村春輔〉二編「商羊は雨に先たって舞ひ。石燕(セキヱン)は石を破って飛ぶ」
[補注]「石燕」の字は「本草和名」に「石燕 唐」とみえ、中国では、雷風雨にあうと飛び、止むと再び石に戻るとされた。

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世界大百科事典内の石燕の言及

【スピリファー】より

…名称は背殻肉部にある腕骨がばねのような形をしていることから,ラテン語のspira(らせん)に由来し,1816年,J.ソワビーによる命名である。ちょうつがい線が長く,横長で,ちょうどツバメが羽を広げた時の形に似ていることから,中国では石燕(せきえん)の名で呼ばれている。腹殻が大きく,その後端にちょうつがい面が発達しており,両殻の表面が放射状の条線によって覆われている。…

【腕足類】より


[人間との関係]
 腕足類は地質学や古生物学の中で,示準化石や示相化石として役に立ったり,その分布の特徴から当時の古生物地理や,地質時代に行われた大陸移動などを推定するための根拠として用いられたりするが,一般生活の中では現生種が少ないこともあって,利用度はきわめて低い。わずかに,中国で古くから,腕足類化石の殻が漢方薬(石燕)として用いられたり,九州有明海産のシャミセンガイがつくだ煮やみそ汁の実などとして食用に供されている例があるのみである。【中村 耕二】【今島 実】。…

※「石燕」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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