石狩国石狩郡当別村開墾顛末(読み)いしかりこくいしかりぐんとうべつむらかいこんてんまつ

日本歴史地名大系 の解説

石狩国石狩郡当別村開墾顛末
いしかりこくいしかりぐんとうべつむらかいこんてんまつ

一冊 伊達邦直著 開拓使 明治一四年刊

解説 明治元年戊辰戦争で敗れた仙台藩の一門で岩出山領主伊達邦直は一万四千石を領していたが、同二年廩米五八石五斗の支給という地位に落され、他の伊達重臣とともに旧家臣扶助のため北海道移住を試みた。移住地の変更、移住船の遭難、現金稼の建築請負などを含むその苦心惨憺の経過を、淡々と記述している。明治一四年八月、明治天皇の行幸に際し「当別村開拓顛末並戸口表」を献上し、のち開拓使で印刷され流布された(和装、八丁)。これと同様の経過で有珠郡に移住し成功を収めた伊達邦成にも「胆振国有珠郡開墾顛末」(同上、九丁)がある。ともに小冊子ながら明治初期地域史・地誌の典型といえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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