砂摺り(読み)すなずり

精選版 日本国語大辞典 「砂摺り」の意味・読み・例文・類語

すな‐ずり【砂摺・砂摩】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 水底の砂をこするところから ) 魚の腹の下の肥えたところ。つちすり。
    1. [初出の実例]「汝もつめたき砂摺(スナズリ)に、あつき血汐や覚ゆらん」(出典:暮笛集(1899)〈薄田泣菫〉琵琶湖畔にたちて)
  3. 和船の舵(かじ)の下べりの呼称。舵の最下部で船底より深く入り、浅瀬で初めに砂地にふれるところからいう。〔席船諸名集図解〕
  4. 滑石などの固い細かい砂やガラスの粉などの研磨材で、レンズやガラスをみがくこと。
    1. [初出の実例]「砂磨(スナズリ)の不透明(くもり)版」(出典:写真鏡図説(1867‐68)〈柳河春三訳〉)
  5. 土蔵などの壁塗りの工程の一つ。砂と水にこんにゃく粉を加えて、荒打ちの上に塗る。
    1. [初出の実例]「壁は大坂土の砂摺(スナズ)りでゲスか」(出典:落語・牛褒め(1896)〈四代目橘家円喬〉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の砂摺りの言及

【検地竿】より

…太閤検地では基準となるべき曲尺1尺(約30.3cm)の検地尺をもとに作製された6尺3寸(約190.9cm)=1間の竿を用いた。江戸幕府は6尺(約181.8cm)を1間としたが,実際には1間につき1分(約0.3cm)の砂摺りを加えた6尺1分(約182.1cm)の一間竿と1丈2尺2分(約364cm)の二間竿との2種が使用された。砂摺りは竿を使用しているうちに竿の両端が磨耗することをみこんでつけられたものであるが,やがて6尺1分を1間とする慣行になったらしい。…

※「砂摺り」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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