硫酸銅(Ⅱ)(読み)リュウサンドウ

化学辞典 第2版 「硫酸銅(Ⅱ)」の解説

硫酸銅(Ⅱ)
リュウサンドウ
copper(Ⅱ) sulfate

CuSO4(159.61).工業上もっとも重要な銅塩である.天然にはカルカンサイトとして産出する.銅を熱濃硫酸に溶かすか,酸化銅を硫酸に溶かした水溶液を蒸発濃縮させると五水和物が得られる.五水和物をタンパン(胆ぱん)という.青色結晶.密度2.29 g cm-3.水100 g に対する溶解度は19.2 g(0 ℃),26.3 g(20 ℃).5分子の水のうち,4分子は銅原子に配位し,1分子の水は硫酸イオン水素結合をしている.102 ℃ で2分子の水を失って三水和物,さらに113 ℃ で2分子の水を失い一水和物となり,250 ℃ で無水物となる.無水物は白色の粉末.密度3.61 g cm-3.吸湿性で,水に易溶.650 ℃ で酸化銅(Ⅱ)とSO3に分解する.エタノールなど有機物中の水の検出および脱水剤,銅塩製造の原料,銅精練の電解液,農薬(ボルドー液),めっき,飼料添加物,媒染剤顔料,防腐剤などに用いられる.有毒.[CAS 7758-98-7:CuSO4][CAS 7758-99-8:CuSO4・5H2O]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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