磁位(読み)じい(その他表記)magnetic potential

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「磁位」の意味・わかりやすい解説

磁位
じい
magnetic potential

静電場電位を定義したのと同様にして,静磁場で定義されたスカラー量。静磁場 H の中で1つの点Pから単位磁荷が無限遠まで移動するとき磁場のなす仕事 を点Pの磁位といい, で表わす。このようなスカラーポテンシャル保存力の場で定義されるものであるから,磁位が定義できるのは,静止した磁石がつくる磁場の場合だけである。電流がつくる磁場は一般に保存力の場ではないので,磁位の代りにベクトルポテンシャルが用いられる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の磁位の言及

【アンペア】より

…単位の大きさは,電流ばかりを用いる絶対測定および他の物理定数の組合せによって実現される。アンペアは,磁位,磁位差,起磁力,電流鎖交数の単位としても使用される。【平山 宏之】。…

※「磁位」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android