磁気レンズ(読み)じきレンズ(英語表記)magnetic lens

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「磁気レンズ」の意味・わかりやすい解説

磁気レンズ
じきレンズ
magnetic lens

電子線を磁場によって集束させる装置光線凸レンズで集束することと似ているので,磁気レンズという。円筒形コイル鉄板でおおい,一部の細隙によって生じる磁場を用いる。コイルの中心軸に沿って入射した粒子は磁場内で螺旋を描いて進み,角周波数 ω=eB/Mc ( e は粒子の電荷,M質量B は磁場の磁束密度c は光速度) が進行方向に垂直な速度成分によらず一定になる性質を応用したもので,集束性がよく,電子顕微鏡などに使われている。焦点距離は常に正で,凸レンズのみが実現可能である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android