磯回(読み)いそみ

精選版 日本国語大辞典 「磯回」の意味・読み・例文・類語

いそ‐み【磯回・磯廻】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( ━する ) ( 「み」はめぐる意 ) 磯に沿ってゆきめぐること。
    1. [初出の実例]「大船に真梶繁貫(しじぬ)き大君のみことかしこみ礒廻(いそみ)するかも」(出典万葉集(8C後)三・三六八)
  3. ( 「み」は湾曲した場所の意 ) 磯の湾曲した所。海辺が陸の方へはいりこんでいる所。
    1. [初出の実例]「馬並めていざうち行かな渋谷(しぶたに)の清き伊蘇未(イソミ)に寄する波見に」(出典:万葉集(8C後)一七・三九五四)

磯回の補助注記

「万葉‐三九五四」などの「伊蘇未」を元暦校本などにより「伊蘇末」とし、「いそま」と訓む説もある。→磯間


いそ‐わ【磯回・磯廻】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「磯回(いそみ)」を誤って「いそわ」と読んだことによって生じた語という ) 磯の入りこんだ所。いそみ。
    1. [初出の実例]「すすぎつるいそわのあまのことならばさりともきみはうけひきてまし」(出典:肥後集(12C初))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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