日本歴史地名大系 「神谷川」の解説 神谷川かやがわ 広島県:芦品郡新市町神谷川源は藤尾の父尾(ふじおのちちお)谷にある高(たかおかみ)神社(竜王社)の雨壺(あまつぼ)滝。神石(じんせき)郡三和(さんわ)町父木野(ちぢきの)、金丸(かねまる)などより流れ出る小河川を集めて南流、常(つね)・上安井(かみやすい)・下安井・宮内(みやうち)・新市を貫流して通称ススハキで芦田(あしだ)川に合流する。「紙谷川」とも記し(芦品郡志)、「西備名区」は「古へは吉備津宮参詣の人、此川にて垢離とり御禊す、江の熊社参の人も又しかなり、故に此名あり、今、江熊の垢離川は此川の流をわけて濫泉の流れと倶に引て社前にあり」と記す。上流の金丸に魚飛(うおとび)とよばれる所があった。「福山志料」に「此所大石ニセカレテ直下スルコト一丈ハカリ、香魚(鮎)ノ升(昇カ)ラントスルモノ、水勢ニヲシオトサレ忽チ身ヲ翻シテ飛跳ス、麦秋ノ頃尤多シ、行人笠ヲ以テコレヲウクレハ、シハラクノ間ニヨホト飛入ル、好事ノモノ酒ヲ携ヘテ来リ遊ヒ、飛魚ヲウケ取テ酒ノ肴ニ充ツルト云、(中略)近時コノアタリ毒ヲナカシテ魚ヲトル、今尚シカリヤ、コノ事往古ハ禁制アルコト三代格ニミエタリ」とある。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by