神隠(読み)かみがくれ

精選版 日本国語大辞典 「神隠」の意味・読み・例文・類語

かみ‐がくれ【神隠】

〘名〙
① 神の姿が見えなくなること。また、貴人の死。
※光悦本謡曲・賀茂(1470頃)「ゆふしでに立ち紛れて、神隠れになりにけりや」
② 神のように姿を消すこと。だれにも気づかれないように隠れること。
浄瑠璃・心中天の網島(1720)下「人忍ぶ我にはつらき葛城(かづらき)の神がくれしてやり過し」

かみ‐がくし【神隠】

〘名〙 (「かみかくし」とも)
子供などが急にゆくえ知れずになってしまうことを、神や天狗のしわざとしていう語。
※虎明本狂言・居杭(室町末‐近世初)「神がくしでもあるかの」
② 服喪中、白紙を貼って神棚を隠すこと。

かみ‐がく・る【神隠】

〘自ラ下二〙 おかくれになる。おなくなりになる。
※読本・雨月物語(1776)白峯「詣(まうで)つかふる人もなき深山(みやま)の荊(おどろ)の下に神がくれ給はんとは」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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