精選版 日本国語大辞典 「子供」の意味・読み・例文・類語
こ‐ども【子供】
〘名〙 (「ども」は接尾語)
① (親に対して) 子。自分の子、人の子に限らず用いる。
※書紀(720)雄略七年是歳(前田本訓)「天皇吾が婦を幸して遂に児息(コトモ)を有(たも)つと」
※枕(10C終)二八「あからさまにきたるこども・わらはべを、見入れらうたがりて」
② 皆の者。若い人々。親しみをこめて呼びかける語。
※古事記(712)中・歌謡「いざ古杼母(コドモ) 野蒜(のびる)摘みに 蒜摘みに 我が行く道の」
※義経記(室町中か)六「稲瀬河のはたにはま砂にたはぶれて、子どもあまたあそびけるにあふて」
④ 近世、男色を売った年少の歌舞伎俳優。かげま。
※浮世草子・男色大鑑(1687)一「切々無心いはるる若衆持て居ると子ども買てあそぶ座敷へ水神鳴の落ると」
⑥ 江戸時代、特に江戸深川の岡場所で、その遊女をいう。
※雑俳・柳多留‐四(1769)「子共やあなどとらうかを呼びあるき」
※御伽草子・猿源氏草紙(室町末)「やれやれ雨が降るそふな、子(コ)ども苫をふけ、といひもあへず」
⑧ 言動などが、まだ幼稚な感じである人。
※人情本・春色恵の花(1836)二「またお長がことか、こまったもんだ。ありゃアわけはねへ、子どもだアな」
※伊豆の踊子(1926)〈川端康成〉三「私達を見つけた喜びで真裸のまま日の光の中に飛出し、爪先きで背一ぱいに伸び上る程に子供なんだ」
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