コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

天狗 てんぐ

10件 の用語解説(天狗の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

天狗
てんぐ

深山に生息するという想像上の妖怪の一つ。一般に天空を飛び,通力をもって仏法の妨げをするといわれる。中国の古書『山海経』や『地蔵経』の夜叉天狗などの説が,日本古来の異霊,幽鬼,物怪 (怨霊) などの信仰と習合したものと思われる。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

てん‐ぐ【天×狗】

深山に住むという妖怪。山伏姿で、顔が赤くて鼻が高く、背に翼があり、手には羽団扇(はうちわ)・太刀・金剛杖を持つ。神通力があって、自由に飛行するという。鼻の高い大天狗烏天狗などがある。各地に天狗にまつわる怪異な話が伝承されており、山中で起こる種々の不思議な現象は、しばしば天狗のしわざであるとされる。
1が鼻の高いところから》自慢すること。うぬぼれること。高慢なこと。また、その人。「天狗の鼻をへし折る」「釣り天狗
《「てんく」とも》落下の際に大音響を伴う、非常に大きな流星。天狗星(てんぐせい)。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

百科事典マイペディアの解説

天狗【てんぐ】

妖怪(ようかい)。中国では流星の尾を天の狗(いぬ)にたとえた。この名が同じ隠現自在の働きをする日本の山の神にあてられ,中世以後修験(しゅげん)道などの影響で,鼻が高く嘴(くちばし)と羽翼をもち,山伏の服装をした天狗が成立。
→関連項目神隠し妖怪

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. ご提供する『百科事典マイペディア』は2010年5月に編集・制作したものです

デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

天狗 てんぐ

伝承上の妖怪。
深山にすみ,翼で自在に空をとび,神通力をもつ。大天狗は赤顔長鼻,小天狗は烏(からす)のような顔で,ともに山伏の服装をし,高下駄をはき羽うちわをもっている。平安時代の物語では仏法に害をあたえる存在としてえがかれている。鎌倉時代ごろから山伏信仰とむすびついて形象化され,庶民信仰の対象となった。

出典|講談社 この辞書の凡例を見る
(C)Kodansha 2015.
書籍版「講談社 日本人名大辞典」をベースに、項目の追加・修正を加えたデジタルコンテンツです。この内容は2015年9月に更新作業を行った時点での情報です。時間の経過に伴い内容が異なっている場合がございます。

デジタル大辞泉プラスの解説

天狗

たかしよいち、茂利勝彦による絵本作品。2007年刊行。2008年、赤い鳥文学賞受賞。

天狗

テンアライド株式会社が展開する居酒屋、和食店のチェーン。「旬鮮酒場 天狗」「和食れすとらん 天狗」などを展開。

天狗

レベルファイルによるゲームソフト、またそこから派生したテレビアニメや玩具のシリーズ妖怪ウォッチ』に登場する妖怪。フシギ族、サイズ115センチ。必殺技は「うちわ大旋風」。

出典|小学館
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版の解説

てんぐ【天狗】

天狗は日本人の霊魂観から発する霊的存在で,さまざまに形象化されて庶民信仰の対象となり,絵画,彫刻,芸能に表現され,口誦伝承や民間文芸の主題となった。原始的神霊観に支えられているので,顕著な善悪二面性をもつが,天狗を信仰対象や芸術,芸能,文芸にとりいれたのは,山岳宗教の修験道であった。したがって一般的認識では天狗即山伏というような印象をもたれている。この宗教の世界では天狗の原質は山神山霊と怨霊である。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

大辞林 第三版の解説

てんぐ【天狗】

日本固有の山の神の一。また、鳶とびや烏からすと関係の深い妖怪の一。修験道の影響を受け山伏姿で鼻が高く赤ら顔、手足の爪が長くて翼があり、金剛杖・太刀・羽団扇はうちわをもつ。神通力があり、飛翔自在という。仏道を妨げる魔性と解されることもある。
〔天狗は鼻が高いことから〕 自慢すること。高慢なこと。また、その人。 「 -になる」
天狗星てんぐせい 」に同じ。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

天狗
てんぐ

山中に住むといわれる妖怪(ようかい)。中国では、流星または彗星(すいせい)が尾を引いて流れるようすを、天のイヌまたはキツネに例え、仏教では夜叉(やしゃ)や悪魔のように考えられていた。日本では仏教を、当初は山岳仏教として受け入れ、在来の信仰と結び付いた修験道(しゅげんどう)を発達させたが、日本の天狗には修験道の修行者(しゅぎょうじゃ)=山伏(やまぶし)の姿が色濃く投影している。一般に考えられている天狗の姿は、赤ら顔で鼻が高く、眼光鋭く、鳥のような嘴(くちばし)をもっているか、あるいは山伏姿で羽根をつけていたり、羽団扇(はうちわ)を持っていて自由に空を飛べるといったりする。手足の爪(つめ)が長く、金剛杖(づえ)や太刀(たち)を持っていて神通力があるともいう。これらの姿は、深山で修行する山伏に、ワシ、タカ、トビなど猛禽(もうきん)の印象を重ね合わせたものである。また天狗の性格は、感情の起伏が激しく、自信に満ちてときに増上慢(ぞうじょうまん)であるが、一方では清浄を求めてきわめて潔癖である。天狗に大天狗と、烏(からす)天狗や木(こ)っ葉(ぱ)天狗などとよばれる小天狗との別があるというのも、山伏が先達(せんだつ)に導かれながら修行するようすを投影したものであろう。
 人が突然行方不明になることを、神隠しにあったという。中世以前はワシや鬼に連れ去られたといったが、近世以後は天狗にさらわれたという事例が急増する。天狗にさらわれた子供が数日たって家に戻ってきたり、空中を飛んだ経験を話して聞かせたなどの記録が残っている。近代の天狗のイメージには、近世に形成されたものが多いようである。妖怪を御霊(ごりょう)信仰系のものと祖霊(それい)信仰系のものとに大別すると、天狗は後者に属する。中国伝来の諸要素を多く残しながら、祖霊信仰に組み入れることによって山の神の性格を吸収したのであろう。そのため群馬県沼田市の迦葉山弥勒寺(かしょうざんみろくじ)、栃木県古峯原(こぶがはら)の古峯(ふるみね)神社、そのほか修験道系統の社寺において、天狗を御神体もしくは使令(つかわしめ)(神様のお使い)として信仰する例が多い。
 天狗がまったく妖怪化した段階では、種々の霊威・怪異の話が伝承されている。子供をさらって行くというのもその一つであるが、各地の深山で天狗倒し・天狗囃子(ばやし)などの話がある。天狗倒しは、夜中に木を伐(き)る音、やがて大木の倒れる音がするが、翌朝行ってみるとどこにも倒れた木がないという怪異現象であり、天狗囃子は、どこからともなく祭囃子の音が聞こえてくるというものである。村祭りの強烈な印象や、祭りの鋪設(ほせつ)のための伐木から祭りへの期待感が、天狗と結び付いて怪異話に転じたものであろう。そのほか、山中で天狗に「おいおい」と呼ばれるとか、どこからともなく石の飛んでくるのを天狗のつぶてということがある。昔話では、かなり笑話化されているが「隠れ蓑笠(みのかさ)」というのがある。むかし、ある子供が「めんぱ」に弁当を入れて山へ行く。天狗がいるので「めんぱ」でのぞき、京が見える、五重塔が見えると欺く。天狗が貸せというので隠れ蓑笠と交換する。天狗はのぞいてみたが何も見えないので、だまされたと気づいて子供を探すが、隠れ蓑笠を着ているのでみつからない。子供は隠れ蓑笠を使って盗み食いする。あるとき母親が蓑笠を焼いてしまう。灰を体に塗り付けて酒屋で盗み飲みすると、口の周りの灰がとれて発見され、川へ飛び込んで正体が現れるといった類の話である。伝説には天狗松(天狗の住む木)などがあり、民家建築の棟上げのとき、棟の中ほどに御幣(ごへい)を立ててテンゴウサマ(天狗様)を祭る所もある。[井之口章次]
『『山の人生』(『定本柳田国男集4』所収・1967・筑摩書房) ▽井之口章次著『日本の俗信』(1975・弘文堂)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内の天狗の言及

【悪魔】より

…仏教に由来する語で,仏道をさまたげる悪神,人にわざわいを与える魔物を指す。魔は梵語〈マーラ(魔羅)〉の略で,人を殺したり人心を悩ませる悪霊,魔物であり,江戸時代には多く天狗を指した。天狗は人に害をなす反面,獲物のとれる方向を太鼓で知らせたりするよい面をそなえている。…

【怪談】より

…それらは固有信仰の古い神々の零落した姿としての〈おばけ〉,またあの世にさ迷い苦患する霊魂としての亡霊の,二つに分極してゆく。中世ではこれを〈天狗〉の思想でまとめ,また芸能としての〈能〉は,鎮魂しきれない人間の妄執のカタリを大きな主題としていた。江戸時代に入ると,あらためて,民間の怪談を互いに語り合う流行が生じ,〈百物語〉〈お伽はなし〉〈諸国はなし〉が武家層から庶民層にまで,大いに行われた。…

【神隠し】より

…子どものことが多いが,成人の場合には妊娠中の女性や病弱あるいは異常心理状態の男女にみられる。さまざまな神霊が神隠しを行うとされるが,天狗にさらわれたとするところが多い。神隠しにあったときは,村中の者が鉦(かね)や太鼓をたたき,隠された者の名を呼び,〈かえせ,もどせ〉と叫んでさがしまわるのが一般的なならわしであった。…

【外法】より

…外術(げじゆつ),外道(げどう)ともいう。天狗の行う法術(呪術)は外法であると考えられており,天狗のことを外法様,その術を行うことのできる僧を外法僧ということがある。外法僧の多くは,山伏や陰陽師たちであった。…

※「天狗」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

天狗の関連キーワード九斎日朔望三首日たよたよミス瞑目六斎日秋二日日P残留孤児・婦人訴訟判決

今日のキーワード

トランスアジア航空

台湾・台北市に本拠を置く航空会社。中国語名は復興航空。1951年、台湾初の民間航空会社として設立。83年に台湾の国産実業グループに経営移管され、組織改編を実施した。92年に国際チャーター便の運航を始め...

続きを読む

コトバンク for iPhone

天狗の関連情報