神館神社(読み)こうたちじんじや

日本歴史地名大系 「神館神社」の解説

神館神社
こうたちじんじや

[現在地名]桑名市江場

江場えばの西にある。祭神は天照大神および豊受大神。旧郷社。例祭日は一〇月一三日。一般には若宮さんとよばれている。この付近は伊勢神宮の神領地としての桑名郡神戸郷の中心である(桑名志)。社伝によれば文治元年(一一八五)九月に「神宮ヨリ政庁ヲ設ケ近郡ノ神領ヲ所管セシム、之ヲ神或ハ神館ト云」とあり、神領支配のための役館を起源とするのが妥当であろう。「久波奈名所図会」所載の天正元亀以前之図には「神立宮」と書かれ、現存する社宝の剣は天文二二年(一五五三)九月、村正作の銘で、「神立」と彫り刻まれている。元禄一二年(一六九九)七月奉納の槍には「神立大神宮」、宝暦四年(一七五四)二月の鰐口には「神館神明宮」、明和四年(一七六七)寄進の神楽釜には「神館宮」とあり、古くは神立と記され、のち神館と記すようになったと思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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